ボードゲームには、あえて「ウソ」をついて相手を出し抜くことで楽しむジャンルがあります。正直に振る舞うだけでは勝てず、相手の心理を読みながら言葉や行動で駆け引きをするのが大きな魅力です。
今回は、友達や家族と盛り上がれる「騙し合い系ボードゲーム」を12作品紹介します。
① ブラフ
「ブラフ(Bluff)」は、ライアーズダイス系の代表作で1993年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞した名作です。各プレイヤーはサイコロ5個を振り、カップの中に隠します。そのうえで「場全体に特定の目が何個あるか」を宣言し、次の人はそれより大きな数を宣言するか、疑って「チャレンジ」するかを選びます。
宣言が正しければ前の人の負け、誤りであれば宣言した人の負けとなり、負けた人はサイコロを失います。特殊な「スター目(ワイルド)」も加わり、確率計算とブラフによる騙し合いのバランスが絶妙です!運と心理戦が交錯し、毎回異なる展開になる点が魅力ですね。
参考:ブラフ 日本語版 – ArclightGames Official
② スカル
「スカル」は2008年発表のカードゲームで、花とドクロのカードを使って騙し合いを楽しみます。各プレイヤーは裏向きにカードを出し、山の中から「花」をめくれるかを宣言。挑戦の途中でドクロをめくってしまうと失敗し、大きなペナルティを受けます。
短時間で終わるうえに読み合いが濃密で、プレイヤーの性格や宣言の仕方によって展開が変化します。シンプルながら緊張感に満ち、デザイン性の高さからも人気の定番タイトルです。
③ ごきぶりポーカー
「ごきぶりポーカー」は、2004年にドイツで発表されたブラフゲームで、デザイナーはジャック・ゼメ。害虫などが描かれたカードを相手に渡しながら「これはゴキブリだ」などと宣言し、相手はそれを信じるか、ウソだと見抜くかを選びます。さらに次の人へパスすることも可能です。
宣言を外したプレイヤーはカードを引き取り、同じ種類が4枚たまると負け。勝者を決めるのではなく「敗者を決める」仕組みが特徴で、笑いと緊張が入り混じるユニークな騙し合いゲームです。
参考:ごきぶりポーカー
④ コヨーテ
「コヨーテ」は、2003年にSpartaco Albertarelliがデザインしたカードゲームです。各プレイヤーは自分のカードを見えないように額に掲げ、他人のカードだけを見て場全体の合計値を推測し合います。順番に「合計は○○以下」と数字を宣言し、無理だと思えば「コヨーテ!」とチャレンジします。
宣言が正しければ次のプレイヤーへ続きますが、宣言が実際の合計を超えていればその人の負けです。ライフ制を採用しており、最後まで残った人が勝者となります。ルールが簡単で盛り上がりやすく、初対面同士でも遊びやすい騙し合いゲームです。
参考:コヨーテ
⑤ タイムボム
「タイムボム」は、警察チームとテロリストチームに分かれて争う正体隠匿系の騙し合いゲームです。プレイ人数は2〜8人、1ゲームは15〜30分ほど。各プレイヤーは伏せられた「導線カード」を持ち、ニッパーで1枚ずつカットしていきます。
導線カードには「解除」「爆発」「ハズレ」があり、全ての解除カードが切られれば警察の勝利、爆発カードが出ればテロリストの勝利です。最長で4ラウンド行い、議論を通して誰が敵かを見極めるスリルが楽しめます。
参考:タイムボム
⑥ ニャーメンズ
「ニャーメンズ」は2019年にMAGIから発売された正体隠匿の協力型ゲームです。プレイ人数は2〜5人、所要時間は約20分、対象年齢は8歳以上。雪山で遭難したネコたちが通信機やスノーモービルを修理して脱出を目指すテーマで進行します。
プレイヤーの中には裏切り者の「アサシン」が潜んでいる可能性があり、協力と疑心暗鬼が同時に展開。かわいいイラストに反して本格的な心理戦が楽しめるのが良い騙し合いゲームです。
参考:ニャーメンズ
⑦ インサイダーゲーム
「インサイダーゲーム」は、2016年にオインクゲームズから発売された、クイズと正体隠匿を組み合わせた作品です。プレイ人数は4〜8人、所要時間は約15分、対象年齢は9歳以上。ゲームは「クイズパート」と「議論パート」の二部構成で進みます。
クイズパートでは「マスター」が選んだお題を、全員が「はい/いいえ」で答えられる質問を繰り返して当てていきます。ただし「インサイダー」役は最初から答えを知っており、自然に導こうと暗躍します。お題が当たった後は議論を行い、インサイダーを見抜けば庶民側の勝ち、逃げ切ればインサイダーの勝利です。
⑧ ワードウルフ
「ワードウルフ」は、多数派と少数派に異なるお題を配り、少数派の「ウルフ」を会話から見抜くパーティ系の騙し合いゲームです。例として「そば」と「うどん」など、似ているが異なる言葉が設定されます。多数派は違いを探り、少数派は正体を隠しながら振る舞います。
プレイ人数は2〜8人、所要時間は5〜10分と手軽で、カード版やホワイトボード版、アプリ版などさまざまな形式が存在します。議論と投票で正体を当てるシンプルな流れなので、アイスブレイクにも使いやすいゲームです。
⑨ お邪魔者
「お邪魔者(Saboteur)」は、2004年に発表されたカードゲームで、デザイナーはフレデリック・モイヤーソーン。プレイ人数は3〜10人、所要時間は約30分、対象年齢は8歳以上です。金鉱堀りを目指す「ドワーフ」と、それを妨害する「お邪魔者」に分かれてプレイします。
カードを使って通路をつなぎ、金塊のあるゴールへ到達できれば金鉱堀りの勝ち、妨害されて失敗すればお邪魔者の勝ちです。全3ラウンドで行われ、報酬カードを最も多く獲得した人が最終的な勝者になります。
シンプルながら戦略性があり、繰り返し遊べる作品です。
参考:お邪魔者
⑩ ファブフィブ
「ファブフィブ」は2004年に登場した騙し合いゲームです。プレイ人数は3〜10人、所要時間は20〜30分、対象年齢は10歳以上。各プレイヤーは3枚の数字カードを使い、〈百の位 ≥ 十の位 ≥ 一の位〉の3ケタの数を作り、それを宣言します。実際より大きな数字を宣言しても構いません。
次のプレイヤーはその宣言を受け入れてさらに大きな数を作るか、「ダウト」をかけて真偽を確認します。ウソを見破れば宣言者にペナルティ、間違えば自分にペナルティが課されます。ライフが尽きたら脱落し、最後まで残った人が勝者となります。
参考:ファブフィブ
⑪ スパイシー
「スパイシー」は2021年に日本語版が発売された、数字とスパイスを使ったブラフ系カードゲームです。プレイ人数は2〜6人、プレイ時間は15〜20分、対象年齢は10歳以上。美しいアートワークと金色の豪華なパッケージでも知られています。
カードには1〜10の数字と「ワサビ・チリ・コショウ」の3種のスパイスが描かれ、裏向きで「チリの5」などと宣言して出します。宣言がウソでもよく、他の人は「数字が違う」「スパイスが違う」とチャレンジできます。見破れば得点、失敗すれば宣言者に得点が入ります。短時間で騙し合いの心理戦が楽しめる点が特徴です。
参考:スパイシー
⑫ チャオチャオ
「チャオチャオ(Ciao Ciao)」は1997年にアレックス・ランドルフがデザインしたブラフゲームです。プレイ人数は2〜4人、プレイ時間は25〜30分、対象年齢は8歳以上で、2013年に日本ボードゲーム大賞U-more賞を受賞しました。
プレイヤーは筒の中でサイコロを振って出目を自分だけが確認し、その数字を宣言してコマを進めます。ウソをついても構いませんが、他の人に「ウソだ!」と指摘され、判定に失敗するとコマが谷底に落ちてしまいます。先に3つのコマをゴールさせた人が勝ちとなる騙し合いゲームです。
参考:チャオチャオ
ボドゲを作っています
様々なオリジナルゲームを企画・開発。