近年、推理と物語の両方を体験できる新しいゲームジャンルとして「マーダーミステリー」(通称マダミス)が大きな注目を集めています。参加者は事件の登場人物の一人となり、物語を進行しながら犯人や事件の真相を探るスリルと、登場人物になりきって感情を共有する楽しさが魅力です。
この記事では、マーダーミステリー初心者の方に向けて、基本的な遊び方、ゲームの流れ、気をつけたいマナーやルール、そしておすすめのシナリオまで、丁寧に解説します。初めてでも安心して参加できるよう、わかりやすくご案内しますよ!
マーダーミステリーとは?
マーダーミステリーは、各プレイヤーが登場人物になりきって推理や会話を進め、物語の真相を探る体験型の推理ゲームです。多くの作品ではプレイヤーの中に「犯人」が紛れ込み、誰が犯人なのか、どのような動機だったのかを明かしていきます。
ただし、全員が同じ目的ではなく、キャラクターごとに秘密や独自の目的が与えられる点が、通常の推理ゲームや人狼ゲームとは大きく異なります。
発祥は20世紀初頭の欧米にあり、パーティーゲームとして楽しまれてきました。近年では日本国内でも専門店やパッケージゲーム、オンラインサービスなど、多様な遊び方が広がっています。
なぜ今マーダーミステリーが人気なのか
物語に入り込める没入感
自分ではないキャラクターの視点や感情で物語に入り込み、ドラマチックな展開を味わえます。普通の推理ゲームにはない「登場人物としての感情の揺れ」や「ドラマ性」が醍醐味です。
推理小説のような謎解きの快感
他のプレイヤーと会話しながら情報を引き出し、自分なりの推理を組み立てていく過程が知的好奇心を刺激してくれます。観察力や論理的思考だけでなく、時には役柄として嘘をつく演技力も問われるのが頭を使って楽しいところです。
自然に会話が盛り上がって仲良くなれる
登場人物になりきることで、普段は打ち解けにくいような人同士でも、自然とコミュニケーションが生まれ、共通の目的や謎解きを通して、一体感を感じられます。短時間でも参加者同士で、距離が縮まりますよ!
マーダーミステリーの遊び方・進行の流れ
1. 基本ルールの説明
最初に遊ぶシナリオを決め、GM(ゲームマスター)や主催者から基本ルールや物語の前提説明があります。
2. 配役とハンドアウトの配布
プレイヤーごとに役割(キャラクター)が割り振られ、それぞれの「ハンドアウト(役割資料)」を読み込む時間が設けられます。ここには自分だけが知る情報や目的、他キャラクターへの印象や秘密などが書かれています。
3. 情報交換と推理のパート
プレイヤー同士で会話しながら情報を交換・探索し、自分の目的や事件の真相に近づいていきます。この時、秘密を守ったり時には嘘をついたりすることもゲームの一部です。
4. 犯人投票とエンディング
全員で「誰が犯人か」を話し合い、多くの場合、最後に投票で決めます。結果発表後はシナリオのエンディングが明かされ、真相やキャラクターの目的が解説されます。
5. 感想戦(アフタートーク)
ゲーム終了後には参加者同士で感想や推理の裏話、役柄で苦労した点などを語り合い、体験をより深めるのが醍醐味です。
初心者が安心して楽しむためのマナーと注意点
節度ある発言とお互いへの配慮を心掛ける
ゲーム中は自由な会話が求められますが、他の人の発言を遮ったり、攻撃的になったりするのは控えましょう。登場人物の役割を演じながらも、現実世界の信頼関係を大切にしてください。
プレイ後もネタバレは厳禁
シナリオの結末や犯人などのネタバレは、未プレイの人にとって重大なマナー違反です。感想や話題にするときは十分注意しましょう。
キャンセルや遅刻に注意
マーダーミステリーは一人でも欠けると成立しない場合が多いので、参加できなくなった時は早めに連絡し、当日は時間に余裕を持って参加しましょう。
マーダーミステリーを体験する方法
専門店・カフェでのリアル体験
都市部にはマーダーミステリー専門店やボードゲームカフェが増えており、スタッフがGM役を務めてくれる店舗も多いので、初心者でも安心して参加できます。事前予約や参加費が必要な場合があるので、公式サイトで確認しましょう。
自宅でパッケージ版を楽しむ
市販されているパッケージゲームなら、説明書やシナリオ・キャラクター資料がセットになっており、自宅で家族や友人とじっくりプレイできます。GM不要タイプや初心者向けの作品も豊富です。
オンライン・アプリで気軽に参加
ZoomやDiscord、Webサービスを使ったオンラインマーダーミステリーも人気です。短時間のシナリオや初心者歓迎の卓も多く、全国のプレイヤーとつながれます。
初心者におすすめのマーダーミステリーシナリオ
初心者でも安心して楽しめる、おすすめのシナリオを紹介します。
『何度だって青い月に火を灯した』
『何度だって青い月に火を灯した』は3~7人用(GM不要)のマーダーミステリーで、プレイ時間は約120分です。幻想的で詩的な世界観が特徴で、プレイヤーはそれぞれ異なる秘密を持ったキャラクターとなり、月と火をめぐる物語を紡いでいきます。謎解きの難易度は控えめで、ストーリー性やキャラクター同士の関係性を重視したい方、感情移入を楽しみたい方におすすめです。初心者でも安心して楽しめる作品として高い評価を得ています。
参考:Group SNE | 製品情報 | 何度だって青い月に火を灯した
『鬼哭館の殺人事件』
『鬼哭館の殺人事件』は7人専用、プレイ時間約120分のマーダーミステリー作品です。舞台は大正時代の洋館。参加者は各自のキャラクターとして複雑な人間関係や過去を抱えながら殺人事件の謎に挑みます。本格推理型シナリオとして定評があり、キャラクター同士の関係性や様々な証拠を丁寧に読み解いていく過程が魅力です。論理的に犯人を追い詰めていく展開が特徴で、推理好きにはたまらない内容です。資料の説明も分かりやすく、初めての方でも安心して参加できます。
参考:【WEB版】大正浪漫マーダーミステリイ「鬼哭館の殺人事件」マスタープラン
『狂気山脈 陰謀の分水嶺』
『狂気山脈 陰謀の分水嶺』はプレイヤー5人+GM1人(合計6人)用のマーダーミステリーです。プレイ時間は約4〜5時間(240〜300分)と長めです。ラヴクラフトのクトゥルフ神話をベースにした世界観で、極寒の山脈を舞台に探索者たちが次々と巻き込まれる狂気や陰謀が物語の中心となります。物語の進行とともに増していく緊張感や登場人物たちの心理戦が大きな魅力で、長時間の本格派ですが、丁寧な進行ガイドのおかげで初心者でも安心して参加できます。
参考:【本体無料】マーダーミステリー『狂気山脈 陰謀の分水嶺』|BOOTH
『ウェンディ、大人になって』
『ウェンディ、大人になって』は4~5人用(GM不要、NPCカードを使えば4人でも遊べる)のマダミスです。プレイ時間は約120分、感想戦も含めると約2.5時間(150分)ほどかかる場合もあります。ピーターパンのその後を思わせる心温まるストーリーとキャラクターの成長が丁寧に描かれており、推理の難易度も控えめで、物語やドラマを重視したい方にぴったり。マーダーミステリー初心者や、みんなで物語を楽しみたいグループにも非常におすすめできる作品です。
参考:Group SNE | 製品情報 | ウェンディ、大人になって
演技が苦手な方も大丈夫!まずは気軽に体験してみよう
演技やロールプレイが苦手な方でも、無理にキャラクターになりきろうとせず、自分らしく自然体で役柄を楽しめば十分にマーダーミステリーの世界を味わえます。もし戸惑ったり迷ったりした時は、周囲の参加者やゲームマスターに遠慮なく助けを求めましょう!
マーダーミステリーは、推理の面白さと物語への没入感、そして人と人とのコミュニケーションを同時に楽しめる、今注目のボードゲームジャンルです。初心者向けのシナリオや施設も充実しているので、まずは気軽に体験してみることをおすすめします。
初めてのあなたもぜひ、この奥深いマーダーミステリーの世界に一歩踏み出してみてくださいね!
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様々なオリジナルゲームを企画・開発。