初対面の場で順番に名前と所属を言うだけの自己紹介は、聞いているほうも話すほうも記憶に残りません。ボードゲームを1つ挟むだけで、その人の考え方や感性が自然に見えてきて、話しかけるきっかけが生まれます。
この記事では、京大ボドゲ製作所が自己紹介やアイスブレイクに使えるボードゲームを15作品厳選しました。自分を語れるもの、価値観が見えるもの、会話が生まれるものの3タイプに分類し、人数・時間・自己開示の深さを比較表で整理しています。新歓、社員研修、学級開き、懇親会というシーン別の選び方もあわせて解説します。
自己紹介にボードゲームを使う4つのメリット
1. 話す内容を考えなくてよい
何を話せばいいのか分からないという緊張の原因は、話題が自由すぎることにあります。ゲームがお題を出してくれれば、参加者は答えるだけで済みます。話し下手な人ほど助かる仕組みです。
2. 全員が平等に発言する
通常の雑談は、話し慣れた人だけが喋り続ける形になりがちです。ボードゲームには手番があるので、全員に発言の機会が回ります。無口な人が置き去りにならない構造そのものが価値になります。
3. 名前と人柄がセットで記憶に残る
肩書きだけを聞いても、翌日には忘れています。ところが「あの変な答えを出した人」という印象は残ります。人柄がひもづいた記憶のほうが、その後の関係につながりやすくなります。
4. 上下関係が一時的にフラットになる
ゲームの中では役職も年齢も関係ありません。新入社員が部長より上手に説明できることもあります。この逆転が一度起きると、その後の会話のハードルが下がります。
シーン別の選び方
新歓やサークルの顔合わせ
人数が多く、名前を覚えることが最優先の場面です。ナンジャモンジャやドブルのように、大人数で短時間に何回も回せる作品が向いています。深い自己開示を求めると引かれるので、軽さを優先してください。
社員研修やチームビルディング
価値観の共有が目的なら、ジャストワンやトップテンのような協力ゲームが機能します。全員で1つの目標に向かうため、上下関係が邪魔になりません。プライベートに踏み込む作品は、業務の場では避けたほうが無難です。
学級開きや学校のレクリエーション
対象年齢の下限が低く、勝ち負けがきつくない作品を選びます。ナンジャモンジャ、ドブル、はぁって言うゲームが定番です。学校で使える作品は学校でできるカードゲームの記事にまとめています。
懇親会や飲み会
机が狭く、酔っていても遊べる軽さが必要です。コヨーテやごきぶりポーカー、ワードウルフのようにカードだけで完結する作品が扱いやすくなります。1ゲームが短いほど、出入り自由な場に馴染みます。
自己紹介ボードゲーム15選 比較表
いちばん右の自己開示の深さは、その人のプライベートにどこまで踏み込むかの目安です。初対面の度合いが強い場ほど、浅いものから始めるのが安全です。はぁって言うゲームはメーカーによる対象年齢の記載がないため空欄にしています。
ゲーム名 | タイプ | 人数 | 時間 | 対象年齢 | 自己開示の深さ |
|---|---|---|---|---|---|
佐藤です。好きなおにぎりの具は梅です。 | 自分を語れる | 2〜8人 | 20分前後 | 8歳〜 | 深い |
あのねじつは | 自分を語れる | 2〜12人 | 10分前後 | 8歳〜 | 深い |
サンレンタン | 自分を語れる | 2〜6人 | 15分前後 | 15歳〜 | 深い |
ito | 自分を語れる | 2〜10人 | 30分前後 | 8歳〜 | 中くらい |
トップテン | 自分を語れる | 4〜9人 | 30分前後 | 14歳〜 | 中くらい |
ジャストワン | 価値観が見える | 3〜7人 | 20分前後 | 8歳〜 | 中くらい |
ディクシット | 価値観が見える | 3〜8人 | 30分前後 | 6歳〜 | 中くらい |
はぁって言うゲーム | 価値観が見える | 3〜8人 | 5分前後 | ー | 中くらい |
テレストレーション | 価値観が見える | 4〜8人 | 30分前後 | 12歳〜 | 中くらい |
カタカナーシ | 価値観が見える | 3〜8人 | 15分前後 | 8歳〜 | 浅い |
ナンジャモンジャ | 会話が生まれる | 2〜6人 | 15〜20分 | 4歳〜 | 浅い |
ドブル | 会話が生まれる | 2〜8人 | 15分前後 | 7歳〜 | 浅い |
コヨーテ | 会話が生まれる | 2〜10人 | 30分前後 | 10歳〜 | 浅い |
ごきぶりポーカー | 会話が生まれる | 2〜6人 | 20分前後 | 8歳〜 | 浅い |
ワードウルフ | 会話が生まれる | 2〜8人 | 5〜15分 | 12歳〜 | 浅い |
【自分を語れる】自己紹介がそのままゲームになる5選
自己紹介の内容がそのまま勝敗に関わるタイプです。話す内容をゲームが指定してくれるので、何を言えばいいか迷いません。
佐藤です。好きなおにぎりの具は梅です。
対象年齢:8歳〜 / プレイ人数:2〜8人 / プレイ時間:20分前後 / 価格目安:約1,800円 / 自己開示:深い / 入手先:幻冬舎、Amazon
タイトルがそのままゲームの構造を表しています。名前と好きなものを組み合わせて一言の自己紹介をする前半と、その内容をクイズにして答え合わせる後半に分かれています。
聞き流していると後半で答えられないので、自然と全員が真剣に人の話を聞きます。自己紹介を覚えるという行為をゲーム化した、このジャンルの代表格です。
あのねじつは
対象年齢:8歳〜 / プレイ人数:2〜12人 / プレイ時間:10分前後 / 価格目安:約1,800円 / 自己開示:深い / 入手先:ゲームマーケット、専門店
あのねカードとじつはカードを組み合わせ、お題に沿って自分の意外な一面を語るゲームです。語った内容はクイズとして出題されるので、聞くほうにも集中する理由が生まれます。
12人まで対応するのが強みで、大きめの懇親会でも1つの卓で回せます。意外な一面を引き出す構造なので、ある程度打ち解けた集まりのほうが盛り上がります。
サンレンタン
対象年齢:15歳〜 / プレイ人数:2〜6人 / プレイ時間:15分前後 / 価格目安:約1,800円 / 自己開示:深い / 入手先:専門店、Amazon
出題者が7つの選択肢から自分の好きなものを1位から3位まで選び、他のプレイヤーがその順位を当てるゲームです。相手ならどれを選ぶだろうと考える時間が、そのまま相手を知る時間になります。
対象年齢が15歳からと高めなので、大人向けの集まりに向いています。価値観の細かい違いが見えるため、すでに顔見知りの関係をもう一段深めたいときにも効きます。
参考:サンレンタン
ito
対象年齢:8歳〜 / プレイ人数:2〜10人 / プレイ時間:30分前後 / 価格目安:約1,800円 / 自己開示:中くらい / 入手先:アークライト、Amazon
1から100のカードを1枚ずつ持ち、お題に沿って自分の数字を言葉で表現し、全員で小さい順に並べる協力ゲームです。数字を直接口にするのは禁止されています。
「気持ちいいこと」のようなお題では、その人が何を大事にしているかが数字の表現に滲みます。しかも協力ゲームなので、意見が食い違っても対立になりません。初対面の場での使いやすさは随一です。お題はitoのお題を大量にまとめた記事からどうぞ。
参考:ito
トップテン
対象年齢:14歳〜 / プレイ人数:4〜9人 / プレイ時間:30分前後 / 価格目安:約3,000円 / 自己開示:中くらい / 入手先:アークライト、Amazon
手元の1から10の数字カードに合わせて、お題に対する答えの強さを調整して発言するゲームです。10なら極端に、1なら控えめに答えます。2020年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされました。
ito と似た構造ですが、こちらは数字を言葉ではなく答えの強度で表現します。人の感覚の物差しが見えるので、チームで価値観をすり合わせたい場面に向いています。
参考:トップテン
【価値観が見える】感性を共有する協力ゲーム5選
勝ち負けよりも、全員で息を合わせることが目的のタイプです。相手の感覚を想像する必要があるため、自然と人となりが伝わります。
ジャストワン
対象年齢:8歳〜 / プレイ人数:3〜7人 / プレイ時間:20分前後 / 価格目安:約3,000円 / 自己開示:中くらい / 入手先:ホビージャパン、Amazon
1人の回答者に対して、他の全員が単語を1つずつヒントとして書きます。ただし他の人と同じ言葉を書いてしまうと、そのヒントは無効になって消えるという仕掛けがあります。
ありきたりな言葉を避けつつ、伝わる言葉を選ぶ。この綱渡りが面白さの中心です。2019年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作で、協力ゲームなので初対面でも角が立ちません。
参考:ジャスト・ワン
ディクシット
対象年齢:6歳〜 / プレイ人数:3〜8人 / プレイ時間:30分前後 / 価格目安:約4,000円 / 自己開示:中くらい / 入手先:ホビージャパン、Amazon
幻想的な絵が描かれたカードに言葉を付け、他のプレイヤーに当ててもらうゲームです。全員に当てられても、誰にも当てられても得点になりません。
同じ1枚の絵を見ても、思い浮かぶ言葉は人によってまるで違います。その差そのものが会話のネタになるので、自己紹介の場との相性が良い作品です。6歳から遊べる間口の広さも魅力です。
参考:ディクシット
はぁって言うゲーム
対象年齢:メーカー記載なし / プレイ人数:3〜8人 / プレイ時間:5分前後 / 価格目安:約1,800円 / 自己開示:中くらい / 入手先:幻冬舎、Amazon
「はぁ」というたった一言を、怒り、照れ、感心といった指定された感情で演じ、他の人がどれを演じたのかを当てるゲームです。声と表情だけが手がかりになります。
演じるのが恥ずかしいという抵抗はありますが、それを全員が同時に乗り越えることで一気に距離が縮まります。1ゲーム5分と短いので、会の冒頭に差し込みやすい一本です。
参考:はぁって言うゲーム
テレストレーション
対象年齢:12歳〜 / プレイ人数:4〜8人 / プレイ時間:30分前後 / 価格目安:約4,500円 / 自己開示:中くらい / 入手先:アークライト、Amazon
お題を絵で描いて隣に渡し、受け取った人はその絵を見て言葉を書き、また次の人が絵にする。これを繰り返す伝言ゲームです。
最後にお題がどう変形したかを全員で見返す時間が本番で、絵が下手なほど盛り上がります。上手さが不利に働く構造なので、絵に自信がない人ほど活躍できます。
参考:テレストレーション
カタカナーシ
対象年齢:8歳〜 / プレイ人数:3〜8人 / プレイ時間:15分前後 / 価格目安:約1,600円 / 自己開示:浅い / 入手先:幻冬舎、Amazon
お題のカタカナ語を、カタカナを一切使わずに説明して当ててもらうゲームです。テーブルを説明するのに、机とも台とも言い換えられることに気づく瞬間があります。
説明の仕方にその人の思考の癖が出るので、話すのが得意な人ほど楽しめます。プライベートに一切踏み込まないため、業務上の集まりでも安心して使えます。
参考:カタカナーシ
【会話が生まれる】初対面でも気楽に遊べる定番5選
自己紹介の要素は薄いものの、遊んでいるだけで自然と声が出るタイプです。まず場の空気を温めたいときは、この5作品から選んでください。
ナンジャモンジャ
対象年齢:4歳〜 / プレイ人数:2〜6人 / プレイ時間:15〜20分 / 価格目安:約1,300円 / 自己開示:浅い / 入手先:すごろくや、Amazon
謎の生き物のカードをめくって、その場で自由に名前を付けます。同じカードが再び出たら、その名前を誰より早く叫んだ人がカードをもらえます。
名前を付けるときのセンスに人柄が出るうえ、その名前を全員が連呼することになるので記憶に残ります。4歳から遊べるので、家族連れが混ざる場でも問題ありません。
参考:ナンジャモンジャ
ドブル
対象年齢:7歳〜 / プレイ人数:2〜8人 / プレイ時間:15分前後 / 価格目安:約1,900円 / 自己開示:浅い / 入手先:ホビージャパン、Amazon
どの2枚のカードにも必ず1つだけ共通の絵柄があり、それを誰より早く見つけて宣言するゲームです。ルール説明が30秒で終わります。
言葉を交わさなくても盛り上がれるので、まだ会話が始まっていない場の最初の1つとして優秀です。年齢や経験の差がほとんど影響しないのも、初対面向きな理由です。
参考:ドブル
コヨーテ
対象年齢:10歳〜 / プレイ人数:2〜10人 / プレイ時間:30分前後 / 価格目安:約1,800円 / 自己開示:浅い / 入手先:ニューゲームズオーダー、Amazon
カードを額に当てて、自分の数字だけが見えない状態で場の合計値を推測します。前の人より大きい数を宣言するか、無理だと思ったらコヨーテと叫びます。
額にカードを当てた姿が全員面白いので、それだけで場が和みます。10人まで対応するので、懇親会の大きめの卓にも向いています。
参考:コヨーテ
ごきぶりポーカー
対象年齢:8歳〜 / プレイ人数:2〜6人 / プレイ時間:20分前後 / 価格目安:約1,700円 / 自己開示:浅い / 入手先:メビウスゲームズ、Amazon
嫌われ者の生き物のカードを裏向きのまま相手に渡し、これは何のカードだと宣言します。渡された側は信じるか疑うかを選びます。
相手の顔をじっと見るという行為がルールに組み込まれているため、自然と一人ひとりと向き合うことになります。1対1のやりとりが繰り返されるので、名前を覚えるきっかけにもなります。
参考:ごきぶりポーカー
ワードウルフ
対象年齢:12歳〜 / プレイ人数:2〜8人 / プレイ時間:5〜15分 / 価格目安:約1,500円 / 自己開示:浅い / 入手先:幻冬舎、Amazon
全員が同じお題を与えられている中に、1人だけ違うお題の人が混ざっています。会話を通じて、その少数派を探し出すゲームです。
少数派を探すために全員が話し続ける必要があるので、会話量が強制的に増えます。ただし疑い合う構造なので、ある程度打ち解けた集まりのほうが安心して遊べます。
参考:ワードウルフ
京大ボドゲ製作所のおすすめ自社ゲーム
京大ボドゲ製作所では、遊びながら学べるゲームを製作しています。少人数の顔合わせや、じっくり話したい場面で使える3作品を紹介します。
キオクコネクト|準備ゼロで始められるカルタ式
対象年齢:6歳〜 / プレイ人数:2人〜 / プレイ時間:10分〜 / 価格:1,800円 / 学べること:英単語と記憶 / 入手先:京大ボドゲ製作所 公式ストア
日本語と英語のコミカルなイラスト例文カードを、カルタや神経衰弱の要領で遊びます。カードを並べるだけで始められるので、集まった直後の手持ち無沙汰な時間を埋めるのに向いています。
絵の面白さで自然と笑いが起き、6歳から遊べるため参加者の年齢を選びません。英単語に触れられるおまけつきです。
商品ページ:キオクコネクト|京大ボドゲ製作所 公式ストア
TEN|計算力が磨かれる手札管理ゲーム
対象年齢:10歳〜 / プレイ人数:2〜4人 / プレイ時間:20分 / 価格:2,000円 / 学べること:四則演算 / 入手先:京大ボドゲ製作所 公式ストア
7枚の手札で数字と演算子を集め、答えが10になる式を作ったらアガリです。読み方はイコールテンで、テンではありません。
少人数でじっくり向き合いたいときの一本です。考えている時間そのものが自然な間になるので、無理に喋り続ける必要がありません。話すのが苦手な人と2人きりになったときの助けになります。
商品ページ:TEN|京大ボドゲ製作所 公式ストア
ワードコード|2人でじっくり向き合う推理戦
対象年齢:8歳〜 / プレイ人数:2人 / プレイ時間:20分 / 価格:3,000円 / 学べること:英単語と論理的な推理 / 入手先:京大ボドゲ製作所 公式ストア
相手が作った英単語を推理し、文字ごとのヒントを開きながら当て合う2人専用ゲームです。大人数のアイスブレイクとは逆の、1対1の場面で活きます。
相手がどう考えるかを読む必要があるので、20分遊んだあとには思考の癖が見えています。ペアワークや面談の前に、関係を作っておきたいときにどうぞ。
商品ページ:Word Code ワードコード|京大ボドゲ製作所 公式ストア
自己紹介ボードゲームのよくある質問
人見知りが多い場でも使えますか?
自己開示が浅い作品から始めてください。ドブルとナンジャモンジャは、ほとんど喋らなくても参加できます。場が温まってから ito やジャストワンへ進むと無理がありません。
大人数のイベントで使えるものはどれですか?
あのねじつはが12人、コヨーテと ito が10人、トップテンが9人まで対応します。それ以上の規模なら、ドブルやナンジャモンジャを複数セット用意して、卓ごとに分けて回すのが現実的です。
社内研修で使うときの注意点はありますか?
プライベートに踏み込む作品は避けましょう。サンレンタンやあのねじつはは価値観や意外な一面を語らせるため、業務上の関係では負担になることがあります。カタカナーシやジャストワンのように、お題が業務と無関係で自己開示が浅い作品が安全です。
2人での顔合わせにも使えますか?
ナンジャモンジャ、ドブル、ごきぶりポーカー、ito、サンレンタンが2人から遊べます。1対1でじっくり向き合うなら、当社のワードコードのような2人専用設計の作品も選択肢に入ります。
準備するものはありますか?
テレストレーションは付属のボードにペンで描くため、書く場所が必要です。他の作品はカードだけで完結するので、机が狭くても遊べます。
子どもの学級開きで使うならどれですか?
4歳から遊べるナンジャモンジャ、7歳からのドブル、6歳からのディクシットが定番です。学校での活用は学校でできるカードゲームの記事で詳しく解説しています。
まとめ
自己紹介やアイスブレイクに使えるボードゲームを15作品、自分を語れるもの、価値観が見えるもの、会話が生まれるものの3タイプで紹介しました。話す内容を考えなくてよく、全員が平等に発言し、人柄がひもづいた記憶が残る。これがボードゲームを挟む価値です。
選ぶときは、まず場のシーンと人数を決め、そのうえで自己開示の深さを合わせてください。初対面の度合いが強いほど浅いものから始め、打ち解けてきたら深いものへ進むのが失敗しない順番です。
少人数でじっくり向き合いたい場面には、京大ボドゲ製作所のキオクコネクトやTEN、ワードコードもぜひ候補に入れてみてください。遊びながら学べるので、その後の話題にもつながります。
