短時間で遊べるマーダーミステリーは、ゲーム会の合間や初対面同士でも気軽に楽しめる作品が多く、初心者にも取り組みやすいのが特徴です。この記事では、20〜40分ほどの短い時間で遊べる全9作品を紹介します。テーマも雰囲気もさまざまなので、遊ぶメンバーやシーンに合わせて選んでみてください。
そういうお前はどうなんだ?(20分)

「そういうお前はどうなんだ?」は、プレイヤー2人用・GM不要で遊べる超短編マーダーミステリーです。想定プレイ時間はおよそ20分で、対面でもオンラインでも準備なく始められる点が特徴です。舞台は、些細なきっかけから口論に発展した2人のキャラクターで、互いの言い分をぶつけ合う中で“事件の真相”が浮かび上がっていきます。
物語は、2人の関係性や過去の出来事をテーマに進行し、プレイヤーは自身の視点で状況を語りながら、相手の主張とのズレや矛盾を探ります。議論を通じて真相が見えてくるため、ロールプレイの楽しさを短時間で味わえる構成です。重いテーマではなく、会話劇に近いテンポで進むため、マーダーミステリー初心者や、ゲーム会のアイスブレイクとしても遊ばれることが多い作品です。
参考:Group SNE | 製品情報 | そういうお前はどうなんだ?
2人の証言者(30分)(30分)

「2人の証言者」は、プレイヤー2人・GM不要で遊べる短編マーダーミステリーです。プレイ時間は30分程度とされており、通話ツールさえあれば無料で気軽に遊べます。舞台は小さな喫茶店で起きた銃撃事件で、プレイヤーはどちらも「目撃者」として、自分の記憶をもとに事件当時の様子を語っていきます。
この作品の特徴は、プレイヤー2人が協力して「犯人が誰か」と「被害者が誰か」を推理していく、協力型の構成になっていることです。最初は自分の見えている情報だけで証言を行い、その後、相手の証言を聞くことで少しずつ矛盾や抜け落ちた部分が浮かび上がってきます。プレイヤー自身は犯人ではない設定なので、疑われるプレッシャーが苦手な人でも参加しやすく、マーダーミステリーの雰囲気だけをライトに体験したい人にも向いています。
参考:2人の証言者ーRE:Design版ー《マーダーミステリー》 – のりっち – BOOTH
イノチゴイ(30分)

「イノチゴイ」は、プレイヤー4人・GM不要で遊べる、命をかけた心理戦がテーマの作品です。想定プレイ時間はおよそ30〜45分で、オンライン通話でも対面でも遊べるように作られています。舞台は薄暗い廃工場で、3人の男が椅子に縛りつけられ、その様子を上から見下ろす1人の男が銃を手にしています。上から見ている男は「この3人の中に、自分の人生を狂わせた事件の犯人がいる」と告げ、犯人だけを撃つのか、それとも全員を撃つのか、決断のために「イノチゴイ」をさせる、という導入です。
プレイヤー3人は、それぞれの過去や立場をもとに「自分は犯人ではない」と訴えかけ、互いの発言を疑いながらも生き残る道を探ります。もう1人のプレイヤーは、銃を持った男として3人の話を聞き、最終的な判断を下す役目です。単なる犯人当てではなく、「誰を信じ、誰の命を救うのか」という価値観の揺れが物語の中心にあるため、短時間ながら感情移入しやすいシナリオです。重めのテーマですが文章量は多すぎず、心理戦やドラマ性が好きな人に遊ばれています。
プレデターの憂鬱(30分)

「プレデターの憂鬱」は、プレイヤー3人・GM不要で遊べるSFマーダーミステリーです。公式の目安プレイ時間は約30分で、オンライン・オフラインどちらにも対応した無料シナリオとして公開されています。三角柱の形をした宇宙船を舞台に、宇宙CIAのエージェントたちが任務を終えて帰路につく最中、船内で一人の隊長が倒れて見つかる、という導入から物語が始まります。
プレイヤーは副船長・船医・航海士となり、「なぜ隊長が死んだのか」「この船に潜む“プレデター”は誰なのか」を話し合いながら探っていきます。ゲーム進行は、導入文の読み上げと議論、投票というシンプルな構成で、専任GMがいなくても遊びやすい作りです。人狼ゲームのように議論と推理を楽しむタイプの作品で、30分程度の短時間でも緊迫感のあるやり取りを味わえます。初心者には少し歯ごたえがあるという声もありますが、SFや推理が好きな人には満足度の高い内容です。
参考:プレデターの憂鬱 マーダーミステリー – 劇団21世紀枠ボドゲ部 – BOOTH
Goody Two-Shoes(30分)

「Goody Two-Shoes」は、GM1人+プレイヤー3人で遊ぶ英語タイトルのマーダーミステリーです。プレイ時間は30分程度で、オンライン通話(Discordなど)でのプレイを想定して作られています。TRPG『パラノイア』から着想を得た作品で、「良い子」と「悪い子」の対比や、過剰なまでの“善良さ”がテーマになっています。
舞台はクリスマス前の家庭で、長男の靴が家の中で片方だけ盗まれてしまったことから物語が動き出します。その場にいた家族のうち、母親は三つ子を集めて「靴を盗んだ犯人を見つけなさい」と命じます。プレイヤーは、この三つ子のうちの3人をそれぞれ担当し、「自分こそが本当に良い子だ」と思いながら、互いを疑いつつ犯人探しを進めることになります。短時間で遊べる一方、キャラクターの“表の顔”と“裏の気持ち”をどう演じるかによって卓ごとの雰囲気が変わる、ロールプレイも楽しい作品です。
参考:Goody Two-Shoes – サボテン係超 – BOOTH
沈黙する傍観者(35分)

「沈黙する傍観者」は、プレイヤー3人・GM不要で遊べる短編マーダーミステリーです。プレイ時間の目安は35分前後で、オンラインでも対面でも無料で遊べるように公開されています。舞台は、嵐に遭って難破した遠洋漁業船の乗組員たちが流れ着いた小さな無人島です。洞窟をねぐらにして救助を待つなか、ある朝、3人だけが生き残った状態で、貴重な非常食が忽然と消えているところから物語が始まります。
「ここは無人島で、生存者は自分たち3人だけ。食料を隠したのはこの中の誰かだ」という前提のもと、乗組員たちは互いを疑いながら会話を進めていきます。議論は複数のパートに分かれており、そのたびに新しい共通情報が開示されるため、短時間の中でもストーリーが段階的に立ち上がっていく構成です。叙述トリックを取り入れたシナリオとして知られており、「キャラクターとして見えている世界」と「プレイヤーとして読んでいる情報」のギャップに気づけるかどうかがポイントになります。短時間ながら推理好きにも手応えがあり、マーダーミステリーに慣れた人にも勧められる一本です。
“伝説の探偵”殺人事件(35分)

“伝説の探偵”殺人事件は、マダミスアプリ「ウズ」限定で公開されている3人用・GMレスのマーダーミステリーです。想定プレイ時間は35分で、スマホ1台からでも遊べるように設計されています。ファンサービスやメディア露出を一切せず、類まれなる推理力だけで名を馳せた“伝説の探偵”・斜六(しゃろく)が、未解決事件を題材にした探偵小説を発表することになり、そのお披露目イベントの控室で死体となって発見される、というのが導入です。
偶然重なった清掃による階段封鎖やエレベーター故障の影響で、事件前後に控室と同じ階にいた人物はごくわずかで、そのうち単独行動をしていた3人がプレイヤーキャラクターになります。プレイヤーはそれぞれの立場から「なぜ伝説の探偵が殺されたのか」を探ると同時に、自分に向けられた疑いを晴らそうとします。ウズの公式では「マーダーミステリーの流れやルールを丁寧に説明してくれる初心者向けシナリオ」として紹介されており、短時間ながら王道の探偵ものらしい推理を味わえる作品です。
初めてのマーダーミステリー ~犯人はこの中にいる~(40分)

「初めてのマーダーミステリー ~犯人はこの中にいる~」は、その名の通りマーダーミステリー入門用として作られた3人用・GMレスのシナリオです。Boothで無料公開されており、オンライン用データと物理パッケージ版の両方が用意されています。公式の想定プレイ時間は45分+感想戦で、マーダーミステリーの一般的なルール説明をオープニングの読み合わせの中で行う構成になっているため、初めての人でも流れを掴みやすいです。
物語は、同じ大学のゲームサークルに所属していた仲間たちが、卒業から数年後に無人島旅行へ出かけるところから始まります。そこで起きた事故と殺人をきっかけに、「犯人はこの中にいる」という疑念が生まれ、3人の登場人物がそれぞれの過去や関係性を振り返りながら真相を探っていきます。キャラクター数が絞られており、テキスト量も初学者向けに調整されているため、「まずは雰囲気をつかみたい」「ルールも含めてまとめて体験したい」という人に向いた作品です。
参考:【マダミス入門】【3人用】初めてのマーダーミステリー ~犯人はこの中にいる~ – egg0 – BOOTH
お前がやったんだろ!?(30分)

「お前がやったんだろ!?」は、プレイヤー2人とGM1人で遊ぶ取り調べ形式のマーダーミステリーです。目安プレイ時間は20〜30分ほどで、短時間でさくっと遊べる作品として知られています。舞台は、とある部屋の窓ガラスが割られた事件の取り調べ室で、プレイヤーは容疑者と刑事になり、GMは進行役兼もう一人の登場人物を担当します。
この作品では、プレイヤーが演じる容疑者が本当に犯人なのかどうかは、物語の中で少しずつ明らかになっていきます。とはいえ「殺人事件」ではなく、割れた窓ガラスを巡る比較的ライトなシチュエーションなので、重たいテーマが苦手な人でも参加しやすいです。短い時間の中で質問と受け答えの駆け引きが楽しめる構成になっており、ゲーム会の合間に遊ぶ一作としても向いています。
事件をめぐる“2人の証言”がテーマになっている作品で、短時間ながらシンプルな構造と読み解く楽しさがあります。物語は証言同士の矛盾や抜け落ちた部分を見つけることで進むため、自然と参加者同士の会話が活発になります。推理が得意でない人でも参加しやすい構成になっています。
本作では、あらすじと証言を読む時間が少なくても理解しやすく、ゲーム全体がスムーズに進みます。そのため、ボードゲーム会の合間や休憩時間にも遊ばれることが多いです。手軽ながらも納得感のある“答え”が用意されている点も好評です。
参考:掌編マーダーミステリー おまえがやったんだろ⁉ – 異聞処 – BOOTH
ボドゲを作っています
様々なオリジナルゲームを企画・開発。





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