「法律ボードゲーム」と聞くと、難しそう…と身構えてしまうかもしれません。でも実は、6歳から遊べる「こども六法すごろく」のような定番から、裁判・相続・労働法をリアルに体験できる本格派まで、遊びながら法律に触れられるゲームはたくさんあります。
この記事では、京大ボドゲ製作所のクリエイターが、法律ボードゲームのおすすめ12作品を厳選しました。対象年齢・人数・価格がひと目でわかる比較表と選び方ガイドつきなので、お子さまの法教育から大人の学び直しまで、目的にぴったりの1本が見つかります。
法律をボードゲームで学ぶ3つのメリット
「難しい」が「おもしろい」に変わる
法律の条文は文字で読むと堅苦しいものですが、ゲームなら「自分の番で使う武器」に変わります。たとえば刑法ポーカーでは、罪の重さを考えて役を作るうちに、自然と刑法の構成要件が頭に入ります。勉強として向き合うのではなく、勝つために夢中で覚える。この順番の逆転が、ボードゲーム学習の最大の強みです。
親子の会話が自然と深くなる
「いじめは犯罪になるの?」「けんかで手を出したらどうなるの?」。こども六法すごろくで遊んでいると、こうした話題が自然と食卓にのぼります。正解を教え込むのではなく、一緒に考えるきっかけを作れるのが、法律ボードゲームのいいところです。遊びながら学べるゲームをもっと知りたい方は、教育に役立つボードゲームのまとめ記事もあわせてどうぞ。
ニュースや社会への関心が芽生える
裁判員制度や18歳成人など、法律は子どもにとっても他人事ではありません。ゲームで裁判や憲法に触れた経験があると、ニュースで「裁判」「判決」という言葉を聞いたときの理解度がまったく変わってきます。社会科の学習の土台づくりとしても優秀です。
失敗しない法律ボードゲームの選び方3つのポイント
対象年齢と法律知識のレベルで選ぶ
小学生なら6歳から遊べる「こども六法すごろく」や「一番裁判」、中高生以上なら「開廷!脳内裁判」や「刑法ポーカー」など、対象年齢の幅は広めです。法律の予備知識はどのゲームもほぼ不要ですが、テーマが大人向けの作品もあるので、まずは年齢表記を目安にしましょう。
テーマで選ぶ(六法・裁判・憲法・相続・労働)
ひとくちに法律といっても、六法の基礎を広く学べるもの、法廷での弁論を体験するもの、憲法の条文に親しむもの、相続や労働法など特定分野に踏み込むものまでさまざまです。この記事では「定番」「裁判・法廷」「憲法・立法」の3カテゴリに分けて紹介するので、興味のあるテーマから選んでみてください。
入手しやすさで選ぶ(一般流通と同人流通)
幻冬舎やテンヨー、ホビージャパンなどの作品はAmazonや書店で手軽に買えます。一方、弁護士団体や同人サークルが制作した作品は、公式サイトやBOOTH、ゲームマーケットなどでの入手になり、在庫が変動しやすい点に注意。まずは一般流通の定番から始めるのがおすすめです。
法律ボードゲームおすすめ12選 比較一覧表
まずは今回紹介する12作品を一覧で比較します。価格は変動するため目安です。
ゲーム名 | テーマ | 対象年齢 | 人数 | 時間 | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|---|
こども六法すごろく | 六法の基礎 | 6歳〜 | 2〜8人 | 30分前後 | 2,420円 |
一番裁判 | 弁論・ディベート | 6歳〜 | 3〜10人 | 約30分 | 3,080円 |
開廷!脳内裁判 | 法廷の攻防 | 12歳〜 | 3〜6人 | 60〜120分 | 4,950円 |
ミクロマクロ:クライムシティ | 事件捜査 | 12歳〜 | 1〜4人 | 15〜45分 | 4,400円 |
刑法ポーカー | 刑法 | 14歳〜 | 2〜5人 | 30分前後 | 販売ページ参照 |
ドロッセルマイヤーさんの法廷気分 | 尋問・裁判官 | 8歳〜 | 4〜6人 | 20〜30分 | 販売ページ参照 |
愛人に私の財産の半分を遺贈する | 相続・遺贈 | 12歳〜 | 2〜6人 | 45〜60分 | 販売ページ参照 |
俺の会社が労働裁判で潰れるわけがない!! | 労働法 | 7歳〜 | 2〜5人 | 10〜20分 | 販売ページ参照 |
離婚届にサインしてッ!! | 離婚・証拠集め | 大人向け | 2〜4人 | 約10分 | 販売ページ参照 |
憲法かるた | 憲法の条文 | 字が読めればOK | 2人〜 | 短時間 | 1,500円 |
kenpo game | 憲法と暮らし | 小学3年生〜 | 複数人(協力型) | 30分前後 | あすわか公式参照 |
ジユウホン法 | 立法の視点 | 8歳〜 | 3〜8人 | 15〜25分 | ゲムマ系流通 |
定番で買いやすい法律ボードゲーム5選
1. こども六法すごろく(幻冬舎)
対象年齢:6歳〜 / プレイ人数:2〜8人 / プレイ時間:30分前後 / 価格目安:2,420円 / 学べること:刑法・民法・憲法・いじめ防止法の基礎 / 入手先:Amazon・書店
ベストセラー「こども六法」から生まれたすごろくゲームです。マスを進みながら70問の◯×クイズに答えるうちに、刑法や民法、いじめ防止法の基礎知識が身につきます。法律ボードゲームの入門として、まず最初におすすめしたい定番の1本です。
2. 一番裁判(テンヨー)
対象年齢:6歳〜 / プレイ人数:3〜10人 / プレイ時間:約30分 / 価格目安:3,080円 / 学べること:弁論・主張と反論・ディベート入門 / 入手先:Amazon・玩具店
「どちらの言い分が正しいか」をみんなで裁くパーティゲームです。おかしなお題をめぐって弁護側と反対側に分かれて主張し合ううちに、根拠を立てて話す力、相手の主張を聞いて反論する力が育ちます。最大10人まで遊べるので、家族はもちろん学級レクにも向いています。
3. 開廷!脳内裁判(ホビージャパン)
対象年齢:12歳〜 / プレイ人数:3〜6人 / プレイ時間:60〜120分 / 価格目安:4,950円 / 学べること:法廷の攻防・検察と被告の心理戦 / 入手先:Amazon・ボードゲーム専門店
検察側と被告側に分かれ、証拠と証言を積み重ねて判決を勝ち取る本格法廷ゲームです。プレイ時間は長めですが、そのぶん「裁判とはこういう攻防なのか」という手応えは随一。中高生以上で、じっくり遊びたいグループにおすすめです。
4. ミクロマクロ:クライムシティ(ホビージャパン)
対象年齢:12歳〜 / プレイ人数:1〜4人 / プレイ時間:15〜45分 / 価格目安:4,400円 / 学べること:事件捜査・観察力・証拠から推理する力 / 入手先:Amazon・ボードゲーム専門店
巨大な白黒の街の地図から、事件の証拠を探し出す捜査ゲームです。「いつ・どこで・誰が・何をしたか」を目で追って突き止める体験は、まさに刑事事件の捜査そのもの。1人でも遊べるので、推理好きのお子さまへのプレゼントにも喜ばれます。ドイツ年間ゲーム大賞を受賞した世界的な人気作です。
5. 刑法ポーカー(つきのふね)
対象年齢:14歳〜 / プレイ人数:2〜5人 / プレイ時間:30分前後 / 価格目安:販売ページ参照 / 学べること:刑法の構成要件・故意・罪の重さ / 入手先:Amazon
東大院生が開発した、刑法を「役」にして戦うカードゲームです。犯罪の構成要件を組み合わせて役を作るというルールで、遊ぶだけで「この行為はこの罪にあたる」という刑法の考え方が身につきます。法学部生や社会人の学び直しにも人気の1本。QuizKnockと弁護士による対戦動画でも話題になりました。
裁判・法廷をリアルに体験できるボードゲーム4選
6. ドロッセルマイヤーさんの法廷気分
対象年齢:8歳〜 / プレイ人数:4〜6人 / プレイ時間:20〜30分 / 価格目安:販売ページ参照 / 学べること:尋問・証言の真偽判断・裁判官の視点 / 入手先:公式ストア・ボードゲームカフェ
証人への尋問を通じて、証言のウソを見抜く裁判官体験ゲームです。「人の話を疑って聞く」「矛盾を見つける」という裁判官の思考を、8歳から気軽に体験できます。パーティ寄りのノリで盛り上がれるのも魅力です。
7. 愛人に私の財産の半分を遺贈する(WILD CARDS)
対象年齢:12歳〜 / プレイ人数:2〜6人 / プレイ時間:45〜60分 / 価格目安:販売ページ参照 / 学べること:民法の相続・法定相続分・遺贈 / 入手先:BOOTHなど
インパクト抜群のタイトルですが、中身は弁護士が制作した本格的な相続ゲームです。法定相続分や遺贈のルールをめぐって駆け引きするうちに、大人でもあやふやな相続の仕組みが整理されていきます。相続は誰にとってもいつか直面するテーマ。家族で遊べば、将来の話をするきっかけにもなります。
8. 俺の会社が労働裁判で潰れるわけがない!!(鳴海製作所)
対象年齢:7歳〜 / プレイ人数:2〜5人 / プレイ時間:10〜20分 / 価格目安:販売ページ参照 / 学べること:労働法・労基署・労働裁判のリスク / 入手先:Amazon
ブラック企業の経営者となって、労働裁判を回避しながら利益を追求するという、皮肉の効いたカードゲームです。遊んでいるうちに「これをやったら労基署が来る」という労働法の知識が自然と身につきます。短時間で終わるので、働くルールの入門教材としても優秀です。
9. 離婚届にサインしてッ!!
対象年齢:大人向け / プレイ人数:2〜4人 / プレイ時間:約10分 / 価格目安:販売ページ参照 / 学べること:離婚事由・証拠集め・弁護士の役割 / 入手先:Amazon(在庫変動あり)
配偶者に離婚届へサインさせるため、法定離婚事由の証拠を集めるという攻めたテーマのカードゲームです。弁護士監修のもと、離婚をめぐる法律の仕組みがコンパクトにゲーム化されています。約10分でサクッと遊べるので、大人の飲み会でも盛り上がる1本です。
憲法・立法を学べるボードゲーム3選
10. 憲法かるた(あすわか)
対象年齢:字が読めればOK / プレイ人数:2人〜 / プレイ時間:短時間 / 価格目安:1,500円 / 学べること:憲法103条のうち50条文 / 入手先:あすわか公式
「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」が制作した、憲法の条文に親しめるかるたです。イラストつきの札で50の条文に触れられるので、憲法というと身構えてしまう大人にもおすすめ。かるた形式なので、お正月の家族遊びにもそのまま使えます。

ちなみに「かるたで学ぶ」形式が好きな方には、京大ボドゲ製作所の英単語かるた「キオクコネクト」も相性抜群です。憲法の次は英単語も、かるたで楽しく覚えられます。
11. kenpo game〜kenpoバリアで日本を守れ!(あすわか監修)
対象年齢:小学3年生〜 / プレイ人数:複数人(協力型) / プレイ時間:30分前後 / 価格目安:あすわか公式参照 / 学べること:憲法25条・26条など条文と暮らしのつながり / 入手先:あすわか
憲法の条文を「バリア」に見立てて、みんなで日本の暮らしを守る協力型ゲームです。生存権(25条)や教育を受ける権利(26条)が、自分たちの生活をどう支えているのかを体感的に学べます。対立ではなく協力して遊ぶ設計なので、学校の授業や法教育イベントでも使いやすい1本です。

12. ジユウホン法(絵空)
対象年齢:8歳〜 / プレイ人数:3〜8人 / プレイ時間:15〜25分 / 価格目安:ゲームマーケット系流通 / 学べること:自分で法律を作る「立法」の視点 / 入手先:ゲームマーケットなど(入手難の場合あり)
「法律を守る側」ではなく「法律を作る側」を体験できる、ユニークな発想のゲームです。自分で考えた法律をみんなに守ってもらう遊びを通じて、ルールはなぜあるのか、良いルールとは何かを考えるきっかけになります。同人流通のため在庫は変動しやすい点だけご注意ください。

社会のルールの次は「お金のルール」!京大ボドゲ製作所の株トレ
法律ボードゲームを探している方の多くは、「社会の仕組みを子どもに遊びながら学ばせたい」と考えているのではないでしょうか。そんなご家庭にもう1本おすすめしたいのが、私たち京大ボドゲ製作所が開発した株式投資カードゲーム「株トレ」です。
株トレは、株の売買をカードゲームとして疑似体験できる作品です。値動きのニュースを読んで売り買いを判断するうちに、株式や市場という「経済社会のルール」が体感的にわかってきます。法律で社会の骨組みを学んだら、次はお金の流れ。セットで遊ぶと社会科の解像度がぐっと上がります。
お金の学びに興味が湧いたら、金融リテラシーが身につくゲームのまとめ記事もあわせてご覧ください。
法律ボードゲームに関するよくある質問
法律ボードゲームは何歳から遊べますか?
「こども六法すごろく」「一番裁判」は6歳から遊べます。法廷の駆け引きを楽しむ「開廷!脳内裁判」や「刑法ポーカー」は12〜14歳以上が目安です。まずはお子さまの年齢に合う定番から始めるのがおすすめです。
法律の知識がなくても遊べますか?
遊べます。どの作品もルールの中に法律の知識が組み込まれているので、予備知識ゼロで大丈夫です。むしろ「遊んでいるうちに知識がついていた」となるのが法律ボードゲームの醍醐味です。
学校の授業や法教育イベントでも使えますか?
使えます。こども六法すごろくは学校や学童での採用実績があり、あすわかの憲法かるたやkenpo gameは弁護士会の法教育学習会でも活用されています。人数の多いクラスなら、最大10人まで遊べる一番裁判が便利です。
大人だけで楽しめる法律ボードゲームはありますか?
あります。刑法ポーカー、開廷!脳内裁判、愛人に私の財産の半分を遺贈する、あたりは大人同士でこそ盛り上がる本格派です。法学部生の集まりや社会人サークルでも人気があります。
1人や2人でも遊べる法律・裁判系ゲームはありますか?
ミクロマクロ:クライムシティは1人からじっくり遊べます。刑法ポーカーと憲法かるたは2人からOKです。人数の欄は比較表にまとめているので、遊ぶ環境に合わせて選んでみてください。
法律ボードゲームはどこで買えますか?
幻冬舎・テンヨー・ホビージャパンなどの一般流通作品はAmazonや書店・玩具店で購入できます。あすわかの作品は公式サイト経由、同人系の作品はBOOTHやゲームマーケットが入手先です。同人系は在庫が変動しやすいので、見つけたときが買いどきです。
まとめ:法律は「遊び」から好きになれる
法律ボードゲームのおすすめ12選を紹介しました。六法の基礎に触れられる定番から、裁判・相続・労働法・憲法まで、テーマは想像以上に幅広いです。共通しているのは、どれも「勉強させられている感」なしに、社会のルールへの興味を育ててくれること。
まずは6歳から遊べる「こども六法すごろく」か、みんなでワイワイ遊べる「一番裁判」あたりから試してみてください。お子さまの反応がよければ、テーマ特化型にステップアップしていくのがおすすめです。
そして社会のルールに興味が出てきたら、次はお金のルール。京大ボドゲ製作所の「株トレ」をはじめ、遊びながら学べるゲームを公式ストアで揃えていますので、ぜひのぞいてみてください。
