読書好きにとって、本を題材にしたボードゲームは、読書の楽しさを新たな形で体験できる絶好のツールです。
本の世界観に浸りながら、友人や家族と楽しむことができるゲームを13種類ご紹介します。それぞれに違った魅力があり、初心者から経験者まで楽しめる内容です。ぜひ、お気に入りのゲームを見つけてください。
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実在の本がテーマのボードゲーム6選
まずは、実在する文学作品や書籍がテーマになったボードゲームを紹介します。これらのゲームは、文学作品などを通じて新たな視点から物語を体験することができ、本好きにはたまらないラインナップです。
「文学ゲーム全集」シリーズ
「文学ゲーム全集」は、名作文学をテーマにしたカードゲームシリーズで、ゲーム作家の米光一成さんが手掛けたものです。
『人間失格』や『レ・ミゼラブル』など、名作をモチーフにしたゲームが揃っており、文学作品の世界観を楽しみながら遊ぶことができます。各ゲームはそれぞれ独自のルールがあり、名作文学のテーマやストーリーに基づいたユニークな体験が楽しめます。
藪の中
芥川龍之介の『藪の中』をモチーフにした対戦推理ゲームです。
プレイヤーは探偵となり、とある町で起きた殺人事件の犯人を推理します。しかし、証言が異なるため、真相を見抜くのは容易ではありません。推理の過程で他のプレイヤーをミスリードすることが勝利の鍵となり、緊張感のある対戦が楽しめます。
芥川の名作を通じて、プレイヤー同士の心理戦を楽しむことができるゲームです。
参考:藪の中 新版 | In a Grove: Revised Edition PV
四畳半ペーパー賽系
森見登美彦の『四畳半神話大系』を思わせるこのゲームは、大学生活をテーマにしたサイコロを使ったパズルゲームです。
プレイヤーは大学4回生となり、最後の1年間を「バラ色のキャンパスライフ」にすることを目指して、学業や交友、恋愛、バイトなどをバランスよく進めます。サイコロを振り、四畳半を埋めていく過程で、どのようにキャンパスライフを彩るかがポイントです。ユーモアと知恵を駆使して楽しむ一風変わったボードゲームです。
参考:【四畳半ペーパー賽系】学生時代追想パズルゲーム【ボードゲーム紹介】
たほいや
「たほいや」は、広辞苑を使ったワードゲームで、辞書から選んだ言葉の意味を他のプレイヤーが当てるというシンプルながら奥深いゲームです。各プレイヤーはその言葉の意味を創作し、スタートプレイヤーが集めた紙から本当の意味を探し当てます。言葉の意味を知ることの楽しさや、他のプレイヤーとの駆け引きがゲームの醍醐味です。
参考:「すでく」って何?辞書を使ったゲーム『たほいや』でバトル!
コロコロito
「コロコロito」は、コミック誌「コロコロコミック」とコラボしたボードゲームです。ゲームは、1〜100の数字を言葉で「たとえる」協力ゲームで、参加者全員の手札の数字を小さい順に並べることを目指します。
お題に合わせて適切な例えを考えることが求められ、相手の意図を読み取ることが重要です。少年漫画の世界観が盛り込まれており、幅広い世代で楽しめる内容となっています。
参考:【4分でわかる】コロコロito 公式ルール解説【コロコロキャラ大集合】
7つの秘宝
スティーブン・R・コヴィーの有名な本『7つの習慣』をテーマにしたボードゲームで、子どもや家族、友人と一緒に遊びながら、書籍で紹介されている「7つの習慣」を体験できます。
ゲームを進める中で、コミュニケーション力や交渉力が試され、他のプレイヤーとの協力や駆け引きが重要になります。プレイを通じて得た気づきや体験が、日常の行動や意識の変化につながる点が魅力です。
本を使って遊ぶボードゲーム3選
次に、本そのものを使って遊べるボードゲームをご紹介します。お気に入りの本を持ち寄り、新たな楽しみ方を発見することができます。
みんなで本をもちよって
「みんなで本をもちよって」は、参加者がお気に入りの本を持ち寄り、お題カードの回答を自分の本の中から探すゲームです。
お題カードには「未来の自分から届いた手紙」「新しいお祭り:『◯◯祭り』」など、約200種類のお題が用意されています。何度でも新しい発見ができるため、繰り返し遊んでも飽きが来ません。友人同士でお気に入りの本を紹介し合うのも楽しみの一つです。
参考:【ボードゲーム】使うのは写真集!?それともマンガ!?お気に入りの本で遊んじゃう!【みんなで本をもちよって】
ゴーストライターの気持ち
「ゴーストライターの気持ち」は、自分のおすすめの小説を持ち寄り、実際の著者の文章とゴーストライターが創作した文章をクイズ形式で提示し、読者が正解を当てるコミュニケーションゲームです。
ゴーストライターは、著者の文体をマネして文章を作り、読者を騙すことが目標です。文章の巧妙さや、読者の鋭い洞察力が勝負を左右するゲームで、読書好き同士の対話をさらに深めてくれます。
参考:本を使ったボードゲーム「ゴーストライターの気持ち」(ゲームマーケット2023春新作)|田中佳祐
じゃれ本
「じゃれ本」は、リレー小説を作成するような感覚で、プレイヤー同士が即興で文章を作り上げていくゲームです。
前の人が書いた文章の一部だけを見て、次の一文を考えて書き足していくため、予測不能な展開になることもしばしば。完成した物語を読み返すと、思わぬ笑いや感動が生まれることも。創造力をフルに発揮できるクリエイティブなボードゲームですよね。
参考:じゃれ本|公式サイト
本が世界観になっているボードゲーム4選
最後に、本の世界観をテーマにしたボードゲームを紹介します。これらのゲームは、プレイヤーを物語の中へと誘い込み、本の世界をより深く楽しむことができます。
ヒットマンガ
「ヒットマンガ」は、日本の伝統的な遊び「かるた」をベースにしたパーティーゲームです。
マンガの1コマが描かれたカードを使い、読み手がコマのセリフを想像して読み上げ、それに合う札を取るというシンプルなルールです。セリフを考える過程で、プレイヤー同士の意外な一面が見えることもあり、盛り上がりながら距離を縮められる楽しいゲームです。
初心者から大人まで、幅広い年齢層で楽しめます。
参考:【ボードゲーム】空白のフキダシを埋める新感覚かるた【ヒットマンガ】
本の虫
「本の虫」は、横一列に並んだ本のカードを使い、相手にババを引かせないように進めるカードゲームです。
文芸部員として、本にまつわるさまざまなエピソードを駆使して、相手を出し抜くことが目的です。短時間で終わるシンプルなルールながら、プレイごとに異なる展開が楽しめるため、アイスブレイクにも最適なゲームです。
ビブリオス
「ビブリオス」は、中世の修道院を舞台にしたゲームで、プレイヤーは修道院長となり、他のプレイヤーと競りを行いながら貴重な写本を収集していきます。
前半はカードの振り分け、後半は競りによる駆け引きが中心となるため、二つの異なるゲーム性を楽しむことができます。渋いテーマながら、奥深い戦略性が魅力の一つです。
参考:ビブリオス|ボドゲーマ
AMERICAN BOOK SHOP
「AMERICAN BOOK SHOP」は、古き良きアメリカの書店を舞台にした対戦ゲームで、プレイヤーは店員となり、特定のテーマに基づいた本を集めていきます。
どの本を集めるかはプレイヤーの戦略次第で、同じ種類の本をたくさん集めることが勝利の鍵です。シンプルながら戦略性のあるゲームで、書店経営の楽しさを味わうことができます。
参考:【ルール紹介】本屋発のカードゲーム「アメリカンブックショップ」(双子のライオン堂)